債権を担保するための物権 — 担保物権。留置権・先取特権は法律で当然に発生する法定担保物権です。
担保物権って、抵当権だけじゃないの?
いえ、4種類あるの。
留置権・先取特権・質権・抵当権。
前2つは法定担保、後2つは約定担保。
留置権は『他人の物を占有する者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を留置できる権利』(民法295条)。
うぅ〜ん…、具体的にはどんな場面ですかぁ?
例えば、修理に出した時計の修理代金を払わないと時計を返してもらえない、とかね。
修理業者は留置権で時計を引き留められるの。
便利だね!
でも盗品でも留置権って使えるの?
留置権は『他人の物を占有する者』に発生するけど、占有が不法行為で始まった場合は否定されるよ (民法295条2項)。
先取特権って何ですかぁ?
法律が特定の債権に優先弁済権を付与する担保物権。
例えば、サラリーマンの賃金債権は雇主の財産に先取特権を持つ (民法308条)。
他にも、不動産売買の代金債権・賃料債権・葬式費用債権などに先取特権が認められています。
なるほど〜、社会的に保護すべき債権を優先するってことだね!
そう。
留置権・先取特権は『法律が当然に与える』担保物権で、当事者の合意なしに発生するの。
これに対して質権・抵当権は契約で設定する。
うちのお菓子屋でケーキを作ってお代を払ってもらえなかったら、留置権って使えるんですかぁ?
ケーキそのものは引渡し前なら同時履行の抗弁で対応できるけど、引渡し後は……ちょっと条件次第かな。
そう、留置権は『その物に関して生じた債権』というのがポイント。
修理・加工・運送など物に関連する債権なら留置権成立しやすいわ。
よっしゃ、法定担保物権は『法律で当然発生する優先権』ってことだね!
確認クイズ
留置権について最も適切な記述はどれか。
- 当事者の合意により設定する担保物権である
- 他人の物に関する債権の弁済を受けるまでその物を留置できる権利である
- 登記が成立要件である
- 占有が不法行為で始まった場合でも留置権を主張できる
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正解: 2. 他人の物に関する債権の弁済を受けるまでその物を留置できる権利である
留置権は物に関する債権の弁済を受けるまで物を留置できる権利です (民法295条1項)。法定担保物権で合意不要、登記不要、占有が不法行為で始まれば成立しません (295条2項)。