自然人と法人・行為能力 - 契約の主体

法律上の「人」とは何か、行為能力制限と未成年者の保護を整理します。

法律上「人」と扱われるのは生身の人間だけではありません。会社などの「法人」も「人」です。ここを理解しないと契約の相手方を間違えます。

日向 まどか(普段) 日向 まどか

ねえ、株式会社って「人」って呼ぶの?
変じゃない?

黒瀬 志保 先生(笑顔) 黒瀬 志保 先生

法律の世界では「自然人」と「法人」の二種類の権利能力主体があるの。
会社は法人の代表例ね。
意思の判断ができる意思能力も別概念として重要よ。

相良 紗英(普段) 相良 紗英

自然人は出生で権利能力を取得し、死亡で失う。
法人は登記で成立して、解散登記で消滅します。

白石 みつき(びっくり) 白石 みつき

わぁ、人間以外も「人」になれるんですねぇ。

日向 まどか(普段) 日向 まどか

じゃあ、未成年のあたしが一人で高額な契約しても有効なの?

黒瀬 志保 先生(普段) 黒瀬 志保 先生

そこで行為能力の話よ。
未成年者は単独で完全な法律行為ができないの。
法定代理人 (親権者) の同意が必要よ。

相良 紗英(普段) 相良 紗英

ただし、お小遣いの範囲内の買い物や、単に権利を得るだけの行為 (もらうだけの贈与等) は単独でできます。

白石 みつき(普段) 白石 みつき

じゃあ、未成年が勝手に高額契約しちゃったら…?

黒瀬 志保 先生(普段) 黒瀬 志保 先生

原則として取消しできるわ。
これが「制限行為能力者制度」。
未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人の4種類があるの。

日向 まどか(あせる) 日向 まどか

成年被後見人?
なんかむずかしい…

相良 紗英(普段) 相良 紗英

認知症などで判断能力を欠く常況にある人を、家庭裁判所が後見開始の審判で「成年被後見人」とすることができます。
後見人が代理を担当します。

黒瀬 志保 先生(普段) 黒瀬 志保 先生

ちなみに、相手方が「未成年と知らずに契約した」場合でも、原則は取消し可能。
ただし未成年者が詐術を用いた (大人と偽った等) ときは取消しできないの。

白石 みつき(普段) 白石 みつき

詐術…うそをついたら駄目なんですねぇ。

日向 まどか(笑い) 日向 まどか

バイト先で「20歳以上です」って嘘ついて契約したらマズいってことだね!

相良 紗英(普段) 相良 紗英

そうですね。
ビジネス取引でも、相手方が未成年や被後見人でないかは要確認。
法人なら登記簿でチェックします。

確認クイズ

未成年者の法律行為について最も適切なものはどれか。

  1. 未成年者の契約はすべて無効である
  2. 法定代理人の同意がない契約は原則として取り消すことができる
  3. 相手方が未成年と知らない契約は完全に有効になる
  4. 詐術を用いた未成年者でも契約を取り消せる
こたえを見る

正解: 2. 法定代理人の同意がない契約は原則として取り消すことができる

未成年者の契約は原則として取り消し可能です (民法5条)。無効ではなく取消しなので、追認すれば有効に確定します。詐術を用いた場合は取消しできません (民法21条)。

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