「勘違い」「だまされた」「脅された」 — これらの意思表示はどう扱われるか?取消しの仕組みを学びます。
もし勘違いで契約しちゃったら、後で取り消せるの?
錯誤による取消しの場面ね (民法95条)。
重要な部分の錯誤で、表意者に重過失がない場合に取り消せるわ。
錯誤には『表示の錯誤』 (言い間違い等) と『動機の錯誤』 (動機の誤り) があります。
動機の錯誤は、動機を表示していたときに限り取消し可能ですね。
ふぇぇ、ややこしいですぅ〜
簡単な例だと、英語の本だと思って買ったら中国語の本だった、というのが表示の錯誤。
重要部分の錯誤なら取消し可。
じゃあ詐欺は?
詐欺は、他人を欺いて錯誤に陥らせ意思表示させること (民法96条1項)。
取消しできます。
ただし、第三者による詐欺の場合は、相手方が事実を知り、又は知ることができたときに限り取り消せるわ (96条2項)。
強迫はどうなるんですかぁ?
強迫は害意を告知して恐怖を生じさせて意思表示させること。
取消しできます (96条1項)。
強迫は錯誤・詐欺と違い、第三者による強迫でも『相手方の認識』にかかわらず取消し可能なの。
最も保護が手厚いわ。
なるほどね、脅されたら逃げ場ないし、保護が厚いってわけかぁ。
あと、詐欺の場合は『善意無過失の第三者』に対抗できない (96条3項) のですが、強迫にはそういう制限はありません。
ここも頻出ですね。
強迫だけ特別なんですねぇ…
理由は、強迫の被害者は意思の自由が完全に奪われているから。
詐欺は『騙された自分にも油断があった』という側面があるからね。
確認クイズ
AがBに強迫されて土地をBに売却し、その後Bが事情を知らないC (善意無過失) に転売した場合、AはCに対して何を主張できるか。
- 強迫を理由に取消しを主張し、Cからの土地返還を求められる
- 詐欺と同じくCには対抗できない
- 錯誤を理由とすれば取消しできる
- Cが登記を備えていれば一切主張できない
こたえを見る
正解: 1. 強迫を理由に取消しを主張し、Cからの土地返還を求められる
強迫は第三者にも対抗可能です (民法96条3項は詐欺のみの制限)。AはCに対しても取消しを主張でき、土地の返還を請求できます。詐欺の場合は善意無過失の第三者には対抗不可。