これまで学んだ契約論を、みつき菓子店の事例で総ざらい。実際の試験ではこのような事例問題が出題されます。
ねえ、これまで学んだ契約のルール、いっぺんに振り返ってみない?
いい提案ね。
みつき菓子店の事例で総合演習してみましょう。
うちのお店の事例ですかぁ?
楽しみですぅ♪
事例: 顧客Aさんが、みつき菓子店に結婚式用ウェディングケーキ50万円を注文。
半額の25万円を手付として支払い。
挙式日の3日前に、お店の冷蔵庫故障でケーキ材料が腐敗。
Aさんはどう対応できるか。
うわ、これシビアな状況だね…
まず判定からね。
これは履行不能に該当するわ。
挙式の3日前だと代替も難しいし、債務不履行が成立するわね。
効果として、Aさんは①損害賠償請求 (民法415条) ②契約解除 (542条 — 履行不能による無催告解除) ができます。
解除すると、手付金はどうなるんですかぁ?
解除されると契約は無かったことになるから、手付金25万円には返還義務が発生するわ (545条 — 原状回復)。
じゃあ損害賠償は何が含まれる?
代替ケーキを急遽手配した場合の差額や結婚式の実費等が通常損害です。
一方、Aさんが当該ケーキで動画配信収入を得る計画だった等の特殊事情は特別損害で、お店が予見できた場合のみ賠償対象になります。
そして危険負担ね。
これは引渡し前の履行不能だから、改正民法では債務者主義になって、Aさんは代金の支払いを拒絶できるのよ。
すでに払った手付25万円も返還されるわ。
うちのお店の責任は重そうですねぇ…
補足すると、お店に帰責事由がなければ損害賠償は不要です (415条1項但書)。
冷蔵庫の整備不良なら帰責事由あり、地震等の不可抗力ならなし、ということになります。
なるほど、契約は『成立→不履行判定→効果→帰責事由』の順で見ていくんだね。
そう。
この基本フローを身につけたら、ビジ法3級の契約パートはOKよ。
確認クイズ
みつき菓子店事例で、ケーキの履行不能が冷蔵庫の整備不良 (店の帰責事由) だった場合、Aさんが請求できないものはどれか。
- 契約解除と手付金25万円の返還
- 代替ケーキの差額分の損害賠償
- 結婚式自体の中止費用全額 (店が予見不能だった場合)
- 通常生じる損害の賠償
こたえを見る
正解: 3. 結婚式自体の中止費用全額 (店が予見不能だった場合)
結婚式自体の中止費用は特別損害に該当し、店が予見できた場合のみ賠償対象です (民法416条2項)。解除・手付金返還・代替差額・通常損害は当然に請求可能。