代理権がないのに代理してしまったら?本人保護と取引相手保護のバランスを取る2つの制度を学びます。
もし代理権がないのに代理しちゃった人がいたら、契約ってどうなるの?
無権代理ね。
原則として本人に効力は及ばないわ (民法113条1項)。
ただし、本人が事後的に追認すれば、契約は遡って本人との間で効力を生じます (113条1項)。
本人が追認しなかったらどうなるんですかぁ?
無権代理人自身が責任を負うのよ (民法117条)。
相手方は無権代理人に対して、履行または損害賠償を請求できるの。
相手方は何ができるの?
相手方には3つの選択肢があります。
①本人に対する追認の催告 (114条)、②取消し (115条、善意の場合)、③無権代理人への履行・損害賠償請求 (117条)。
{kw('表見代理')}は何が違うんですかぁ?
表見代理は、代理権がないのに代理権があるかのような外観があって、本人にも責任がある場合に成立する代理よ。
本人に効力が及ぶの。
民法には3つのパターンがあります。
①代理権授与の表示による表見代理 (109条) ②権限外の行為の表見代理 (110条) ③代理権消滅後の表見代理 (112条)。
例えば?
①は本人が『この人を代理人にしました』と相手方に告げたが実は代理権を与えていなかった場合。
②は実印を持たせていたら範囲外の行為をされた場合。
③は代理権が消滅した後も契約してしまった場合ね。
本人にも落ち度があるパターンですねぇ。
そう。
表見代理が成立するには、相手方の善意無過失も要求されます。
両者のバランスね。
なるほど、要は無権代理は『本人に責任なし』、表見代理は『本人にも責任あり』ってこと!
確認クイズ
代理権を有しないBが、本人Aの名でCと売買契約を締結した。しかし契約の事情はCがBの代理権の不存在を知らなかった。この場合のCの選択肢として誤っているものはどれか。
- Aに対し相当期間を定めて追認の催告ができる
- 契約を取消すことができる
- Bに対し履行または損害賠償を請求できる
- Cは何の権利も有しない
こたえを見る
正解: 4. Cは何の権利も有しない
Cは催告 (114条)・取消し (115条)・無権代理人責任追及 (117条) の3つの権利を有します。Cが善意なら取消しが可能、契約成立を望むなら催告で追認を求めるか、無権代理人Bに履行請求もできます。